「透析患者数は282,622人―最新の透析患者数が発表される」
6月5日からパシフィコ横浜で開催された第54回(社)日本透析医学会学術集会・総会で、最新の透析患者数が発表になりました。この発表は日本透析医学会の統計調査委員会が毎年実施しているもので、患者数をはじめとした透析療法にかかわる各種統計について、1年ごとに更新した内容を「図説 わが国の慢性透析療法の現況」としてまとめています。
それによると、最新の慢性透析患者数(2008年12月31日現在)は、先年の275,119名から7,503名増加し、282,622人(対前年比2.7%UP)となりました。患者さんの平均年齢は0.46歳上昇して65.3歳。また、透析を導入/開始する平均年齢は0.43歳上昇して67.2歳となり、双方ともに高齢化の傾向にあります。透析導入の原因となった病気の第一位は、糖尿病性腎症で43.2%、続いて慢性糸球体腎炎(23.0%)、不明(10.6%)、腎硬化症(10.5%)という結果でした。
今回の調査には全国4,072施設からのデータが使用されています。
透析患者さんの数は1968年の調査開始から一貫して右肩あがりで増加を続けており、今回、発表された282,622人という数字は、国民451.8人に一人が透析患者であることを示しています(07年は464.4人に一人)。しかし、増加の伸び率は今回が2.7%、07年が4.0%、10年前が6.0%前後
で推移していたことを考えると、「透析人口は増えているが、増加率はゆるやかに鈍化しつつある」と言えそうです。
透析導入の原因となった病気を“原疾患”といいますが、糖尿病から起こる糖尿病性腎症(43.2%)と、主に高血圧などの循環器障害から起こる腎硬化症(10.5%)を足すと、原疾患全体の過半数(53.7%)に達していることから、生活習慣病に由来する病気から透析導入に至った患者さんが多いことがわかります。これは、我が国でも、世界でも一般的な傾向であり、生活習慣病対策が透析人口増加の抑制に対していかに重要かを示しています。
また、療法別の数字では、施設で受ける血液透析(HD)は273,276名、腹膜透析(PD)は9,157名、在宅での血液透析(HHD)は194名と大きな偏りがみられます。
患者さんの生活も多様化する中、腹膜透析(PD)や在宅血液透析(HHD)、また、移植の普及率向上が望まれます。

