「日本の透析患者数は約29万人-最新の統計が発表される」
先日開催された第55回(社)日本透析医学会学術集会・総会で、最新の透析患者数が発表になりました。昨年もご紹介しましたが※、この発表は日本透析医学会の統計調査委員会が毎年実施しているもので、患者数や透析療法にかかわる各種統計について、1年ごとに更新した内容を「図説 わが国の慢性透析療法の現況」としてまとめているものです。
それによると、最新の慢性透析患者数(2009年12月31日現在)は、先年の282,622名から8,053名増加し、290,675人(前年比2.8%↑)となりました。透析患者さん全体の平均年齢は67.3歳で、2008年と比較して0.1歳増加しました。ちなみに2006年は66.4歳、2007年は66.8歳、2008年は67.2歳でしたので、透析患者さんの高齢化の速度は少し緩やかになったと言えそうです。また、透析導入の原因となった病気の第1位は、糖尿病性腎症で44.5%、続いて慢性糸球体腎炎(22.0%)、不明(10.6%)、腎硬化症(10.7%)という結果で、導入原因の上位に変動はありませんでした。
なお、今回の調査には全国4,125施設からのデータが使用されています。
※2009年6月「透析患者数は282,622人―最新の透析患者数が発表される」
http://www.kidneydirections.ne.jp/kidney_news/090601.html
年に一度、日本中の数多くの透析専門医が集まる学会が開催されます。日本透析医学会の学術総会です。
今年は、6月18日から3日間、神戸ポートピアホテルや神戸国際会議場などで開かれました。この日本透析医学会は数ある医学会(例えば腎臓病に関しては(社)日本腎臓学会があり、糖尿病には(社)日本糖尿病学会があります)の中でもかなり大きな学会で、毎年15,000~17,000人の会員が参加します。学会の会期中は、透析に関する最新の学術的な知見が総動員され、透析医学の基礎から臨床応用、看護まで、さまざまな分野の科学的にかつ専門性の高い発表がなされます。
さて、数ある医学会の中でも、日本透析医学会の学術総会を特別にしているのは、学会が主導して、毎年透析患者さんの実数を調査発表していることです。
一般的に、ある病気の患者数は、厚生労働省が3年に一度発表する「患者調査」などをベースにした統計学的推計をもとに、算出されます。一方で、ほとんどすべての病院・診療所施設の患者数を推計ではなく、実数で発表できるこの調査は、医学的にも、公共衛生学的にも、とても価値のあるものとされています。

