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腎臓病の治療

食事療法

具体的な食事基準

新しい食事療法の基準について
新しい食事療法の基準について腎臓病ってなに?のコーナーでも述べたとおり、ここ数年、腎臓病の治療は、CKD(慢性腎臓病)を中心としたものへ変化しつつあります。食事療法の基準も例外ではなく、新たにCKDの5つのステージ(病期)ごとに基準が設けられました。これによって、患者さんの腎臓の状態にあわせて、より細やかなケアができるようになりました。
自分がどのCKDステージにいるかは、こちらで自動計算できます。ぜひ調べて参考にしてみてください。

 

食事基準
GFRと尿たんぱくの量に基づいた具体的な食事基準は以下のとおりです。
保存期(透析導入前)患者さんの食事基準
ステージ(病期) エネルギー
(kcal/kg/day)
たんぱく
(g/kg/day)
食塩
(g/day)
カリウム
(mg/day)
ステージ1(GFR≧90)        
尿たんぱく量0.5g/day未満(注2) 27~39(注1) 任意 10未満(注3)  
尿たんぱく量0.5g/day以上 27~39(注1) 0.8~1.0 6未満  
ステージ2(GFR60~89)        
尿たんぱく量0.5g/day未満(注2) 27~39(注1) 任意 10未満(注3)  
尿たんぱく量0.5g/day以上 27~39(注1) 0.8~1.0 6未満  
ステージ3(GFR30~59)        
尿たんぱく量0.5g/day未満(注2) 27~39(注1) 0.8~1.0 3以上6未満 2,000以下
尿たんぱく量0.5g/day以上 27~39(注1) 0.6~0.8 3以上6未満 2,000以下
ステージ4(GFR15~29) 27~39(注1) 0.6~0.8 3以上6未満 1,500以下
ステージ5(GFR<15) 27~39(注1) 0.6~0.8 3以上6未満 1,500以下
kg:身長(m)×22として算出した標準体重
GFR:糸球体濾過量(ml/min/1.73m)

 

注1) 厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2005年版)- 年齢性別生活強度別にみた推定エネルギー必要量-」と同一とします。性別年齢身体活動レベルにより推定エネルギー必要量は異なります。こちらに別表があります。
注2) 蓄尿で調べた尿たんぱくの量です。蓄尿できない場合は随時尿での尿たんぱく/クレアチニン比で求めてください。
注3) 高血圧の場合は6g未満

透析患者さんの食事基準
エネルギー
(kcal/kg/day)
たんぱく
(g/kg/day)
食塩
(g/day)
水分
(ml/day)
カリウム
(mg/day)
リン
(mg/day)
腹膜透析(PD)          
27~39(注1) 1.1~1.3 尿量(L)×5
+PD除水量(L)×7.5
尿量×除水量 制限なし(注2) たんぱく質(g)×15以下
血液透析(HD)          
27~39 1.0~1.2 6未満 できるだけ少なく
(15ml/kgDW/day以下)
2,000以下 たんぱく質(g)×15以下
kg:身長(m)2×22として算出した標準体重
kgDW:ドライウエイト(透析時基本体重)

 

注1) 厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2005年版)- 年齢性別生活強度別にみた推定エネルギー必要量」と同一とします。性別年齢身体活動レベルにより推定エネルギー必要量は異なります。こちらに別表があります。また、腹膜透析(PD)の場合、透析液からの吸収エネルギー分を差し引いて考えます。
注2) 高カリウム血症では血液透析(HD)と同様に制限します。

[別表]年齢性別生活強度別にみた推定エネルギー必要量
(標準体重当たり)

 

 
男性
女性
 
身体活動レベル
身体活動レベル
 
70以上(歳)
28
32
27
31
50~69(歳)
32
37
31
36
30~49(歳)
33
39
32
38
18~29(歳)
36
42
35
41

注1) 推定エネルギー必要量=標準体重×表中に示す標準体重当たりエネルギー 標準体重は身長(m)×22として算出します。
注2) 身体活動レベル

Ⅰ(低い) 生活の大部分が座位で静的な活動が中心の場合
エネルギー必要量:基礎代謝量x1.5(70歳以上は1.3)
Ⅱ(普通) 座位中心の仕事だが職場内での移動や立位での作業・接客などあるいは通勤・買物・家事・軽いスポーツなどいずれかを含む場合
エネルギー必要量:基礎代謝量x1.75(70歳以上は1.5)

参考) 平均年齢39±10歳の健常者139人の身体活動レベルは基礎代謝量×1.75±0.22であったとされている。大部分のCKD患者さんの身体活動レベルはⅠ(基礎代謝量×1.5)と考えて差し支えありません。

食事療法を継続するコツ
たんぱく質を多く含む肉、魚、卵などは、たんぱく質を含まないコンニャク、きのこなどと組み合わせて調理すれば、満腹感を得ることができます。レモンやからし、唐辛子、わさび、しょうがなどを活用して、塩分を控えてもおいしく食べられるような工夫をしましょう。たんぱく調整ごはんやデンプン加工食品などの治療用特殊食品を活用するのもよい方法です。
監修:JAとりで総合医療センター 腎臓内科 部長 前田 益孝先生

 

 
 

 

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