尿たんぱくの数値、蓄尿と試験紙で大きく違っています – 腎臓サポート協会WEB

尿たんぱくの数値、蓄尿と試験紙で大きく違っています

相談者
保存期患者、30歳、女性
相談内容
22歳の時急性腎炎と診断され、尿蛋白のがあり、3週間の治療を終え、症状が治まったのでその後気にしなくなりました。
約2年前の海外出張帰りで急性腎盂腎炎にかかり、一週間の点滴を終えて症状が治まりました。この間何会か膀胱炎になり、検尿で蛋白尿が引っかかりました。
今年に入り特に疲れやすくなり検尿したら蛋白尿が出たが、クレアチニン値及び肝臓の値は大丈夫で心配ないと言われました。入院して24時間蓄尿検査を行いました。
蛋白:0.38g/日 尿量:2600mL/日 試験紙での検尿検査(夜仕事の後)では+2か+3です。
再度検査する必要がありますでしょうか。
回答
頂いたデータ―からは血清クレアチニンが1.27㎎/dlですので推定糸球体濾過値は50.3ml/min/ 1.72m2となり、したがって慢性腎臓病のステージ3(G3a)に相当します。蛋白尿は陰性とのことですが、他に画像診断などでの異常はなかったのでしょうか。運動をなさっておられ、筋肉質の体格の方のようですが、推定糸球体濾過の計算式には筋肉量の補正は考慮されていません。
クレアチニンは筋肉の代謝産物ですので運動によって上昇し、筋肉量が多いと上昇し、推定糸球体濾過値は過少評価される可能性があります。計算式は体表面積1.73㎜2で計算されていますので、筋肉質の体格がいい人は実際の体表面積の補正が必要かもしれません。

定期的に腎臓専門医にご通院なさるのが無難だと思います。
今年の入院中の尿検査結果からは、もし過大評価(蓄尿が24時間以上行われた、などの理由で)されていないのであれば、蛋白尿の正常値が一日0.15g未満(日本腎臓学会編 CKD診療ガイド2012)とされていますので、分類上「軽度蛋白尿」に相当し、正常とは言えない、つまり慢性的な腎臓病が存在する可能性が否定できません。
一方試験紙法によって尿蛋白が2+とか3+というのは、上記蓄尿時の尿蛋白と比べ、ざっと3倍から10倍に相当する量であり、この食い違いは理由が二つ考えられます。ひとつは検査のタイミングがお仕事の後の夜であることにより、起立性、または運動性蛋白尿、水分摂取が少なく濃縮した尿であるなどの要因が加わっていること、もうひとつは経過中に尿蛋白が増加したことです。
また一般に女性の方が男性より膀胱炎などの尿路感染を来しやすいのは事実ですが、余り繰り返す場合は、尿路系の異常など泌尿器科的な原因がないか検査をうけられる必要があるかもしれません。
なお倦怠の自覚ですが、腎臓の機能に問題がなければ、現在の尿蛋白だけでは説明が難しいと思われます。