運動を続けてもよいでしょうか? – 腎臓サポート協会WEB

運動を続けてもよいでしょうか?

相談者
保存期患者、43歳、男性
相談内容
血清クレアチニン 1.27で尿蛋白は-です。尿酸値が一月前に8.7でしたが薬を飲んで、現在7.5になっています。血圧がやや高めなので医師からは塩分摂取を一日6g以下にすることと、酒をビールで500mlまでにすることを言われています。たんぱく質の制限は今のところ言われていませんが、摂りすぎないようにといわれています。運動についてはどのような見解があるのでしょうか?
今は週一回テニスと、フルコンタクトの空手をしています。また、補強運動などもしています。これらの運動によるの腎機能へのリスクはどのように評価されているのでしょうか? 長時間でないですが多分10-15分くらいは「はあはあ」言うようなトレーニングをしています。当然筋肉痛にもなります。また、eGFRは標準体型に基づいて算出されるようですが筋肉量の補正などはどのように見積もればよいでしょうか。180cm、80kgです。
回答
頂いたデータ―からは血清クレアチニンが1.27㎎/dlですので推定糸球体濾過値は50.3ml/min/ 1.72m2となり、したがって慢性腎臓病のステージ3(G3a)に相当します。蛋白尿は陰性とのことですが、他に画像診断などでの異常はなかったのでしょうか。運動をなさっておられ、筋肉質の体格の方のようですが、推定糸球体濾過の計算式には筋肉量の補正は考慮されていません。
クレアチニンは筋肉の代謝産物ですので運動によって上昇し、筋肉量が多いと上昇し、推定糸球体濾過値は過少評価される可能性があります。計算式は体表面積1.73㎜2で計算されていますので、筋肉質の体格がいい人は実際の体表面積の補正が必要かもしれません。

慢性腎臓病の人の運動は、これまで制限をされることが多かったようです。運動によって血液が筋肉や心臓などに供給されるために一過性の糸球体濾過の低下を招きますが、運動中止後は速やかに回復すると考えられています。最近では、長期的運動は血圧、肥満、糖・脂質代謝の改善をもたらすことにより腎機能を保持すると考えられています。ただし、運動に問題がないとする報告の多くは中等度の運動強度に関してしてであり、強度の運動に関するエビデンスはありません。
したがって、現在行っておられる適当な有酸素運動に関しては問題ないと考えられます。しかしながら、定期的な腎機能検査を受けながら継続されることがよいでしょう。