自己流の食事制限を続けています。やめた方が良いでしょうか? – 腎臓サポート協会WEB

自己流の食事制限を続けています。やめた方が良いでしょうか?

相談者
保存期患者、82歳、女性
相談内容
腎硬化症と診断されました。定期的に検査をしていますが、血液検査の数値が悪く、透析に発展するのではと心配しています。現在、血清クレアチニンは1.8前後です。
主治医の診断は、透析にはならない、食事制限もしないでよいという診断です。
食事制限は必要なく透析の恐れはないのでしょうか?自己流の食生活を続けていますがやめたほうがよいでしょうか?(一日蛋白質30g以内という食事をしている)
回答
女性、年令、Cr値より現在の推定糸球体ろ過量を求めると、約21min/ml/1.73㎡となります。約1/3程度の腎機能障害です。会社に例えるなら、定員100名の社員が約30名に減少している状態を想像してみてください。その会社はどうなると思いますか?会社にやってくる仕事量が変わらないとすれば、社員の数が1/3ですから、一人あたりの負担量は3倍に増加しますね。そんな過剰状態が長く続くと、社員は過労で病気に倒れるか、他社に転職するでしょう。ますます、社員は減少し、遂には会社が存続できないほどになりますね。

一般に腎機能が1/3以下に低下すると、このような理屈で進行性に腎機能障害が進みます。今のあなたの腎機能は、丁度、そのギリギリの付近といえます。将来的に透析に絶対進まないとは言えないところでしょう。例えば、何か大きな病気を合併すると、痛んだ腎臓には大きな負担となって機能低下が生ずるかもしれません。

今できることで大切なことは二つあります。一つは血圧を厳しくコントロールすることです。家庭血圧が良い値になっているかどうか、1日3回測定して確認しておくことです(もちろん主治医の先生にお伝えすること)。会社の例えで言えば、作業環境を良好に維持することに該当します。残存腎機能への影響が一番大きいと思います。
第二には、社員の仕事量を減らすことです。腎臓の仕事は多々ありますが、タンパク質の壊れたもの(=尿毒素)を体外に排泄することが主な仕事です。ですから、適切にタンパク制限を行えば、社員の過剰負担を軽減できます。低タンパク食療法は有効です。ただし、注意が必要です。タンパク質を制限することに気を取られて、カロリー摂取量が減ってはいけません。十分量のカロリー確保はとても大切です。どの程度のタンパク制限を行うべきかは、個人差が大きく、食事習慣や、合併症、腎不全の原因疾患や、その方の活動量など、総合的に判断する必要があります。今のあなたに適切な栄養処方箋がどのくらいなのか具体的にご返事することは控えたいと思います。主治医の先生にご相談してみてください。血圧と食事療法を上手に管理できれば、透析へのリスクは随分と減るかもしれません。ただし、低タンパク食療法は高度に専門的な治療であり、もし、主治医の先生があまり詳しくないのであれば、良い先生をご紹介いただいてはいかがでしょうか。