ドライウェイト・心胸比の考え方についておしえてください – 腎臓サポート協会WEB
透析治療に関して

ドライウェイト・心胸比の考え方についておしえてください

相談者
血液透析、51歳、男性
相談内容
ドライウェイト・心胸比の考え方についてご相談いたします。
血管保護・心臓保護の為に心胸比は限りなく45~40%に近づけるのがいいのでしょうか? これを目標にすると透析後もキツイ上に起立性の貧血も現れる上に倦怠が強く仕事も手につきませんでした。現在は3.0㎏以上上げてもらい解決しましたが、慣れるまで低いドライウェイトを維持しQOLを犠牲にするのが良いのか、自身の調子に合わせるのが良いのか。 ちなみに現在の心胸比は49%でドライを上げましたが心胸比は維持しております。一律40何パーセントと当てはめる方が矛盾していると思うのですが、心胸比が高いからドライを下げる・維持となるのです。調子は良いのですがただ将来に影響を及ぼすと言われると不安です。
回答
血液透析のドライウェイトを、胸部X線の心胸比によって一律に決めることはできません。妥当なドライウェイトの状態での心胸比は個人によって違いますし、さらに年月が経過することで変化していきます。
ドライウェイトの設定について、透析後半や終了後に血圧が下がって、だるいとか、ふらふらするとか、筋肉がけいれんするとか、吐き気その他の症状が出るのであれば、ドライウェイトの設定が低すぎる可能性があります。ただしそれ以外の場合でも、例えば透析前の体重増加が大きいために一回の除水量が過大である場合、また患者さんの心機能が良くないなど循環器系に余裕がない場合にも、血圧低下はみられることがあります。

このため医者としては、何か客観的な検査値により、ドライウェイトが適切かどうか裏付けを取りたいところです。胸部X線の心胸比は比較的検査が容易であることから、以前からドライウェイトの目安として利用されてきました。ただし撮影の条件(立位か臥位か、吸気は十分か、など)、体格(肥満があるかなど)、骨格などによって個人差があり、心胸比が何%であれば良いというような、絶対的な基準はありません。そこで最近ではこれに加えて、超音波検査による下大静脈径や左心房径、血液中のヒト心房性利尿ペプチド(hANP)の値などが参考にされることがあります。

また一般に心機能が良くないと、心胸比は大きくならざるを得ない傾向はありますが、心胸比をいくつ以内にすれば、将来の心血管系合併症を減らせるというような研究はないと思います。むしろ透析ごとに血圧が低下して症状が出るというのは、一時的にせよ内臓への血流が不足したわけですから、証明は難ですが健康によくない可能性があり、少なくとも内シャントの開存には不利に働くものと思われます。