透析をしていますが、子どもへの遺伝が心配です。 – 腎臓サポート協会WEB
透析治療に関して

透析をしていますが、子どもへの遺伝が心配です。

相談者
腹膜透析、46歳、男性
相談内容
腹膜透析を行っています。15歳の娘と10歳の息子がおり、学校で毎年行われている尿検査では今のところ再検査となったことはありませんが、病院で詳しい検査をした方がよろしいでしょうか。した方が良いのであれば検査の内容はどういったものでしょうか。
回答
子どもさんへ遺伝するかどうかは透析となった腎臓病の原因で大きく異なります。遺伝性の腎疾患で頻度が高く有名な疾患として、多発性嚢胞腎(PCK)が良く知られています。これは年齢とともに進行し、多くは成人以後に透析になります。常染色体優勢遺伝で男性、女性いずれにも発症します。他にアルポート症候群、遺伝性腎炎とも呼ばれていて男性に現れやすい腎疾患で、病気の進行も男児のほうが女児よりも早いことがわかっています。原因はまだはっきりとわかっていませんが、常染色体のⅣ型コラーゲンの異常であると考えられています。
症状については、幼児期から小学校低学年の間に血尿が出はじめて、年齢とともにたんぱく尿がみられるようになります。やがて症状が悪化して腎機能が低下し、20~30歳までに腎不全に陥ります。難聴の合併率が高いのも特徴です。白内障を伴うこともあります。これらの疾患は、多くの場合親族に腎臓病の方が何人かおり、疾患名もわかっている場合がほとんどです。他にFabry病、これはαガラクトシダーゼAの欠損が原因で、X染色体の異常で発症します。男性に強く症状がでますが、女性にも発症します。これらの疾患が疑われる場合には、早い時期から血圧管理、食事の指導が重要であり、早期に発見する必要があります。またFabry病のように原因がわかっている疾患では、酵素補充などで進展が抑制できる場合もあります。
原発性糸球体腎炎などの慢性腎炎の多くは、遺伝性は知られていません。一方糖尿病、SLE、RAなどの疾患に伴う二次性の慢性腎臓病では、その原疾患が遺伝する場合もあるため、早い時期に明らかにして、きちんと治療をする事が重要となります。 まずはご本人の原因疾患を明らかにすること、その疾患の遺伝性を主治医の先生に確認すること、そして遺伝的な要素がある場合には、一度お子さんをきちんと検査する事は重要です。腎疾患では、早期発見、早期治療によってその進行が抑制できる場合が多いためです。その検査は原因疾患によって大きく異なります。
一般的には蛋白尿の有無、腎機能の確認、高血圧、心臓疾患などの合併症の確認、さらにCT、超音波などの画像検査です。糖尿病や膠原病が疑われる場合には、それらの検査も必要です。
いずれにせよ進展具合、検査方法などは、その原因疾患によって異なるため、きちんと主治医の先生に相談される事をおすすめします。