トップ > 腎臓サポート協会とは >「Supporter's Eye」バックナンバー 9号

 

腎臓サポート協会とは

「Supporter's Eye」バックナンバー 9号

じんぞう教室

  • セミナーレポート「腎臓セミナー in 佐世保」 

満開の桜の中、4月6日(日)に、「腎臓セミナー in 佐世保」が開催されました。
会場となった佐世保市民文化ホールは、大正12年建造の歴史ある建物。
地元の皆さまをはじめ、おおぜいの方にお越しいただききました。

  • プログラム

◆ご挨拶 長崎大学医学部第二内科教授 河野 茂先生

1)基調講演「腎臓の働きと腎臓病について」

長崎大学医学部附属病院第二内科講師
宮崎正信先生

2)特別講演「私と腎臓病」

者代表 杉田倶子氏
慢性腎炎からCAPDの選択、さらに生体腎移植を受けた経緯など、時々の写真とともに語っていただきました。

3)パネルディスカッション「考えよう、腎臓にやさしい暮し」

松村代表の進行のもと、会場の皆さまから寄せられたご質問に対し、各専門の先生方から貴重なご意見やアドバイスをいただきました。
パネリスト:宮崎正信先生、杉田倶子氏、佐世保市立総合病院内科医長 山口耕一先生、長崎大学医学部泌尿器科 錦戸雅春先生、佐世保市立総合病院栄養士 藤木みどり先生、千住病院看護師長 浦秀子先生、白十字会佐世保中央病院 MSW 古川暁子先生

  • 基調講演「腎臓の働きと腎臓病について」より

長崎大学医学部附属病院第二内科 講師 宮崎正信先生

■腎臓は何をするところかこの質問に対しては、腎臓が尿をつくるところというのは、誰もが考えることだと思います。私たちは食べ物や空気を口と鼻からとり入れ、老廃物を出しますが、血液中の老廃物のほとんどは尿として排出されます。それ以外にも腎臓は、体内の水分や電解質の調節、赤血球の産生、ビタミンDの活性化により骨を強くする、などの働きを持っています。また、血圧の調節も腎臓が行っています。

■腎臓はどのようにして悪くなるか腎不全の原因となる代表的な病気は糖尿病と慢性腎炎で、透析をを開始する原因の約7割を占めています。そのほか高血圧などさまざまな病気や薬でも腎臓は悪くなります。
腎不全に進行する典型的な慢性腎炎の経過を述べてみます。20歳の健康診断でタンパク尿と血尿を指摘されますが、症状がないので病院を受診することはなく放置のまま経過します。無症状のままタンパク尿と血尿は持続し、40歳頃になって、血圧が少し高いといわれ、定年を迎える頃に血液検査で、腎臓が少し悪いですねと言われます。その後はどんどん腎臓が悪くなり、むくみや吐き気などが出現し透析導入が必要となります。結局、長年にわたって症状がないというのが問題で、何十年もかかって腎臓は悪くなるわけです。これは、糖尿病など、慢性に進行するそのほかの腎臓病にも共通しています。糖尿病の患者さんは今や約700万人とも言われるほど増えており、このために透析が非常に増えています

■尿でわかること自覚症状のほとんどない、初期の腎臓病の唯一の発見手段が検尿です。タンパク尿と血尿が異常所見ですが、多くの場合見た目にまったくわかりません。しかし、尿を1日量ためておくと、いろいろなことがわかります。1日尿タンパクの量の他、1日にどれだけの毒素を出すことができるかという腎機能やどれだけのタンパク質を食べているか、どれだけ塩分を摂取しているかもわかります。尿は身体のバロメーターといわれる所以です。

■腎臓病の治療は血液検査でクレアチニン値が上がっているといわれたら、まず、食事療法を始めます。適正なカロリーはとらなければなりませんが、太ってはいけません。太るとその分老廃物が増えるのです。タンパク質と塩分を少なめにしましょう。
血圧のコントロールも大切です。血圧が高くなるほど透析になる人が多くなることが最近の研究でわかっています。現在は腎臓病の人は、収縮期血圧を125から130mmHg台に抑えるのが一番いいといわれています。最近は血圧を下げる薬の中に、タンパク尿を減らし、腎炎に効くものがあるということがわかってきました。

■日常生活で気をつけることは病気の程度にもよりますが、運動はウォーキング程度がいいでしょう。また、風邪は万病のもと、風邪をひくと腎臓病が悪くなります。腎臓には非常にたくさんの血液が流れてくるので、熱が出たり下痢をして、脱水状態になると、体内の水分が少なくなり、腎臓の負担になるのです。よく水分を取るようにしてください。
薬にも注意が必要です。腎臓病があると解熱剤や、抗生剤で腎臓がより悪くなることもあります。また、痛み止めの薬でも腎臓が悪くなってしまうこともありますので、ほかの病院でもらった薬についても担当医に相談したほうがいいでしょう。

腎不全の治療は 腎臓の機能が半分になっても症状は出ませんが、さらに進んで7割ぐらいが悪くなると、身体のバランスが維持できずに自覚症状が出てきます。この時期になると薄い色の尿がたくさん出るようになります。昼間一生懸命働いても老廃物を出し切れないので、腎臓は夜も残業し、夜間に尿に行くことが多くなるのです。さらに進むと、次第に尿毒症となります。
尿毒症になると、身体が酸性に傾き、貧血になり、吐き気のために食欲が落ちてきて、だるくなります。そのほか、神経がピリピリする、身体がかゆい、目が見えにくい、など、さまざまな症状が出現します。一般的には、水がたまってむくんできて、さらに胸やおなかに水がたまるようになります。そうなると自分の腎臓では間に合わなくなり、人工腎臓、つまり透析で水分や老廃物を除去することが必要になります。
腎不全の治療には、血液透析、腹膜透析、移植の3つがあります。日本の透析の技術は世界一で、約25%の方が、10年以上透析を行っておられます。
腹膜透析は自分で毎日行う透析法です。カテーテルという管をお腹の中に入れる手術をしますが、自分の家で可能で、通院も月1回ですみ、比較的水分やカリウムの制限がゆるやかです。
血液検査で、クレアチニン値が5mg/dlになったときは、将来必要となるかもしれない透析療法について考えたほうがいいでしょう。その場合、生活習慣や、どんな病気をもっているか、家族の状況などを考え、自分に合った方法を選んでください。

<< バックナンバー 一覧へ戻る

 

 

このページのトップへ