透析患者が作った透析の本
「はじめての透析① ② ③」をご紹介します

2019年12月

透析について分かりやすく説明しているのはもちろん、透析をしながら自分を大切にする生活を送るための秘訣を教えてくれる本。
自分の透析生活を再構築する鍵をみつけるヒントに…

先輩患者の知恵が満載

 「はじめての透析① ② ③」を発行したのは、腎臓病や透析をしている人が集り、知識と情報を共有し、つながりの場を提供するウェブサイト「じんラボ」所長の宿野部武志さん。宿野部さんは透析歴32年、現在は充実した生活を送っていますが、18才で透析を導入したときは不安で一杯だったそうです。「あのとき、あれを知っていれば、これも知っていれば…」と思うことがよくあるそうです。患者仲間からも同じようなことを聞くため、これから透析をはじめる人や、透析をはじめたばかりの人に、先輩患者の知恵を教えてあげたら、きっと役に立つに違いないと、本にすることにしたそうです。

主体的透析ライフに役立つ3冊

 3冊からなる「はじめての透析」、透析のある生活を豊かに送るための「ライフガイドブック」ですが、腎臓専門医の監修も受け、患者に、よりわかりやすい言葉でまとめられています。
 「① そろそろ透析です、と言われたら」では、透析を導入したらどんなことが起きるのか、生活はどう変わるのか、透析についての情報収集の仕方や利用できる制度を解説し、さらに家族へのアドバイスや透析に伴う精神的な問題にも触れています。「② シャントの作成と維持透析」では、実際に透析を受ける流れや注意しなければいけないこと、自己管理についてのノウハウがまとめられています。3冊目の「③ 透析導入入院と日常生活」は、透析治療とはどんなものか、その仕組みや合併症、薬について解説し、さらに旅行や災害時の注意点もあげています。3冊とも患者自身の経験を元に解説しているので、分からなかったことでも、「なるほど」と思える箇所があるはずです。
 読み終わると、高かった敷居が低くなり、なにからはじめたらいいかが見えてくるような気がします。「透析を始めたからといって、やりたいこと、夢や希望に制限がでるわけではありません」と、透析導入に伴う変化を受け入れるためにはどのように生活を再構築したらよいかのアドバイスも充実しています。

透析ライフガイドブック 患者がつくった透析のほんシリーズ

※本書はじんラボのWebサイトからしか購入することができません。
詳細は上記画像をクリック! 問合せ先(メールのみ):info@jinlab.jp

自分自身を振り返るために使ってほしい、生活振り返りシート!!

生活振り返りシート

じんラボが勧める豊かな透析ライフ、自分がどんな透析を受けるのか、積極的に治療に関わっていくことが大切ですね。自分にとって大切なことをじっくり考えることも必要でしょう。そんなときは腎臓サポート協会の冊子「腎不全とその治療法」を使って自分の生活や希望を分析してみてはいかがでしょう。「生活振り返りシート」はWebサイトでも記入することができますよ。

※「2019年12月号そらまめ通信」より

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