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患者さんの体験談~一病息災~

第4回

朝日 美保さん(あさひ みほ:1966年生、女優)

 

「自分が心を開いていれば、いい先生にも巡り合えるし、適切な助言ももらえるんだと思う」

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朝日 美保さん 66年5月生まれ。
東洋英和女学院高等部卒業後、劇団四季に入団。1年後に退団し、洗足学園短期大学で声楽を専攻する。卒業後は「ピーターパン」「ピノ」「ルドルフとイッパイアッテナ」など、ミュージカルを中心に活躍。公演後の休養先マレーシアで発症してから、3年余の血液透析を経て、2004年、夫の舞台俳優・朝日雅宏氏より腎臓移植。舞台活動を続けるかたわら、自らの闘病生活をつづったホームページを開設。現在は都内の二世帯住宅に夫と両親と住む。
ミュージカル三昧の毎日 疲れは気のせい?

10代の頃から突っ走ってましたね。音大受験を決めていた高3の春休み。NYでブロードウエイのミュージカルを見て「これしかない!」と。それからずっと舞台一筋。声楽を勉強し直した後も、いい作品に巡り合えて、もう毎日毎日レッスンとステージと。疲れたってなんだって「一日寝れば治る。みんな疲れてるんだ」。腎臓が悪いなんて思いもしませんでした。

ピノという作品を演じているとき、ろれつが回らない、足がしびれるという症状が出てきたんですが、「ストレスだろう」なんて地方公演では周囲のすすめで温泉三昧。腎臓にはあまりよくないんですよね。気分が悪くて吐いたときも、青いものが混じっているのに「青汁飲んだのか?」なんて。いま思えばあれは胆汁だったのかも。本当に、周りも本人も一般的な知識ゼロでした。

帰国後に知った症状の重さ

公演後の血液検査で「すぐに腎臓の専門病院に行ってください。大変ですッ」といわれても「ナンだろう??」と思いながら、そのまま、予定通り姉夫婦が住むマレーシアへ旅行に出ちゃった。マレーシアに着いたとたん、空港から車椅子ですよ。すぐに大きな病院へ運ばれ透析導入をすすめられたんですが、英語とマレー語で「スキンの一枚下に管を入れるだけだから大丈夫」と簡単に説明。でも、確か寿命が3ヵ月といわれたような…。

向こうでは処置をしてしまえば、歩けなくてもあとは通院なんです。病院もホテルみたいなの。透析室でご飯食べてお茶飲んで。腹水腫、肺水腫もあったので、週3回透析を受けながら、快復するまでけっきょく1ヵ月近く滞在し、帰国してからが、さあ大変。あちこち病院を探して、やっといいところが見つかって、もちろんこんどは日本語で説明を受けたら「エーッ、そんなにすごい病気だったの?!」。

血液型が違っても 夫から念願の腎移植

血液透析は順調で、透析しながらレッスンにも休まず通い、念願の舞台復帰もできたけれど、移植のことはずっと頭にありました。マレーシアでは最初に、移植やCAPDといった別の選択肢について説明を受けるんですよ。ところが、日本で「移植は?」と聞いたら「あまりおすすめしない」。腎臓病に対する考え方の違いに、ショックを受けたのが最初ですね。それなら10年後くらいかなと思いながら献体腎の登録に行った病院で、「そんなに先でいいの?生体腎って考えたことある?」。といっても両親は多少なりとも持病があるし、姉は海外だし。

もちろん主人は夫婦ですから血液型すら合わないんだけど、生体腎臓移植 では血液不適合でも生着率は変わらないとのこと。じゃあ説明だけでもと思ったら「オペの予定は?」。あらら、という感じ。でも主人はすぐに「いいよ」といってくれました。やっぱりシャントのトラブルを見ていたからでしょうね。私は血管が細くて、しょっちゅう穿刺ミスの痕をつけていたんです。オペの予約はなんと1年後。でも、その間に先生やナースたちと、本当に強い信頼関係を築くことができました。

励まされて 元気づけて

この2月で移植2歳になりました。本当にトラブルもなく。ええ、主人もすごく元気です。ホームページでは、自分とまったく違う世界の人たちと話ができるのが楽しくて。腎臓病の人だけでなく、いろんな輪が広がるでしょう。こういう出会いは、いまの私の宝ですね。「ネタになる」なんて、いつも周りにのせられて、「できるかなあ。じゃ、頑張ろう」となっちゃうんだけど、「実は逆に励まされている」と最近いわれたんです。この間も待合室で移植仲間と話していたら、後ろの席の方が、「迷っていましたが、元気なお話を聞いて決心がつきました」と。ちょうどご家族で移植の説明を受けるところだったそうなの。責任重大。その方とは移植後もずっとメールのやり取りをしています。

私の場合は、自分がわからないとき、ポンと知識を与えてくれる人が必ず現れるんです。たぶん自分が心を開いていれば、いい先生にも巡り合えるし、適切な助言ももらえるんだと思う。聞きたいことははっきり聞く。波長が合わない先生なら替わってもらってもいい。安心できる人に相談して、不安を解消し、自分で乗り越えていく。こちらがそうなら、先生だってそれにあわせて、オープンになるしかないんですから。

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