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腎臓サポート協会とは

「じんぞう教室」バックナンバー 41号

じんぞう教室

  • 腎硬化症

高血圧が原因で腎臓が硬くなる「腎硬化症」。広い意味では慢性腎臓病の終末像でもあり、新規透析導入の第3 位の原因にもなっています。
今回は腎硬化症について、高橋進先生に解説していただきました。

  • どんな病気?

腎硬化症とは、高血圧を原因とする腎臓の障害を意味します。なんらかの原因で生じた高血圧が長く続いていると、腎臓の血管が動脈硬化を起こし、血管の内腔が狭くなり血流量が減って、腎臓そのものが硬くなって、腎臓の機能が低下してしまいます。これが腎硬化症です。
腎硬化症には、病気の進行が遅い良性腎硬化症と、急速に症状が悪化する、高血圧緊急症(拡張期血圧130mmHg以上)に伴う悪性腎硬化症があります。また広義には、慢性腎不全の進行した終末期の腎臓の病理の像のことを意味します。
この広い意味での腎硬化症は、先ほど説明した高血圧を原因とする腎硬化症を含むあらゆる慢性腎臓病の終末像で、高齢化により増加傾向にあり、現在、新規透析導入の原因では糖尿病腎症、慢性腎炎についで、第3位(10%)になっています。

  • 原因は?

良性腎硬化症の場合は、軽度~中等度の本態性高血圧により、長期間の経過で腎機能の低下が進行していきます。悪性腎硬化症はまだ確定的なことはわかっていませんが、原因として、たんに高血圧が続くこと以外に、たとえば血圧を上昇させるホルモン(レニン)なども悪さしているようです。また、遺伝的要素も関係していると考えられています。

  • 症状とその現れ方は?

良性腎硬化症は、もともと本態性高血圧にかかっている40歳以上の方に多く、年齢とともに高血圧が進行し、腎臓の機能が低下していきます。
自覚症状は、肩こり、動機、めまいなどを訴えることもありますが、症状がないまま進行し、蛋白尿や心臓の病気で発見されることもあります。
悪性腎硬化症は30歳代の比較的若年層に多く、急激な血圧の上昇のため腎機能の低下が急速に進行し、尿毒症に至り、致命的になることがあります。激しい頭痛、意識障害、視力障害、心不全などの症状が認められることがあります。

  • どんな検査で診断するのか?

良性腎硬化症は、本態性高血圧の経過中に、前に述べたような自覚症状があったり、尿検査で蛋白尿がでるときや、血液検査でクレアチニン値が異常に高い値を示した時に疑われます。高血圧を合併した慢性腎炎などと鑑別することも必要です。この鑑別には腎生検が必要ですので、専門医の受診が大切です。 悪性硬化症は、急激な血圧の上昇と血液検査での急速な腎機能の悪化が目安となり診断されます。また、高血圧がありますので眼底所見も重要です。とくに視力障害のある場合は必ず検査する必要があります。この悪性腎硬化症の中には褐色細胞腫や腎血管性高血圧等が含まれることがありますので、注意が必要です。

  • 治療は?

腎硬化症の治療では高血圧の管理が大切です。良性腎硬化症の場合は高血圧の治療として減塩の食事療法、肥満のある方にはエネルギーの制限と運動療法を加え、標準体重をめざします。
これらの食事、運動療法で血圧コントロールが不十分なときは、降圧薬の薬物療法が必要です。それでも腎機能の低下が進行し尿毒症に至れば、透析療法が必要になります。
悪性腎硬化症の場合は、病気の進行はきわめて早く、上昇した血圧をすみやかに下げることが必要です。内服による降圧薬は効きにくいこともあり、その場合は注射薬を用いることもあります。しかし、血圧を下げすぎると腎機能がさらに悪化することがあるので、注意が必要です。
治療をしても透析療法が避けられないこともありますが、適切な血圧コントロールによって腎機能の回復が望めることもあります。腎臓病と高血圧は悪循環の関係にあります。この悪循環を断ち切り、腎臓病の進行を抑制するためには、薬できちんと血圧をコントロールすることが必要です。
高血圧は心臓病や脳卒中を引き起こす最大の危険因子でもありますので、降圧には目標を定め、その目標を達成するよう頑張りましょう。

  • 腎硬化症が疑われたときは?

すみやかに「かかりつけ医」と相談してください。
かかりつけ医のいない方は、内科、腎臓内科、循環器内科などの先生にご相談ください。眼科の診察も必要になります。

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